花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

ラウンジの窓際の席に、道明寺の後ろ姿が見える。
お相手の女性は見えない。
道明寺のクルクル頭を確認しながら、ゆっくりと歩く。
そして、テーブルの手前で止まった。

一度深呼吸をして、一気にセリフを言う。
「司さん、緊急の書類をお届けに参りました。」

びっくりしたようにあたしを見上げる、きれいな女性。
この人、この間のパーティーで道明寺と握手していた人だ。

振り返った道明寺が、
「あぁ、悪かったな。けど、どうしてお前が届けに来たんだ。他の奴でも良かったのに。」
なんて言う。
「どうしてって。」
あんたが届けろって言ったんじゃない。
あたしはここまでしか教えられてないよ!

道明寺が立ち上がり、あたしの頭を撫でながら、甘い視線であたしを見る。
「俺の見合いが気になったのか?しゃーねーな。心配すんなよ。」
いやいや、ちょっと、心配なんてしてないし。
ちょっと不機嫌になりそうなあたしの右の頬に、道明寺は自分の左手を添え、右手であたし髪の毛をそっとすくった。
「お前しか見えてねぇのに、見合いなんて、受ける気ねぇよ。」
え?
道明寺の優しい声色に、思わずうっとりしちゃったあたしが、焦って我に返るよりも先に、道明寺が畳み掛けた。
「北村さん。申し訳ない。私の恋人が心配して来てしまったようで、失礼しました。
ですが、こういう訳なので、このお話についてはなかったということでお願いします。」
え?え?え?恋人って、こういうことなの!?

ポカーンとする女性を後目に、
「それでは失礼します。行くぞ。」
驚くあたしの手を引いて、とラウンジを去っていく道明寺。


しばらく茫然として、そのまま手を引かれていたあたしだったけれど、はっと我に返った。
「道明寺っ!ちょっと、まずいんじゃないの?」
「あ?完璧だっただろ?恋人がいる男に、見合い話を持ち掛けるなんて、恥を知れ!」
「いや、そうじゃなくって。お断りするなら、もっと違う方法だってあるでしょ。」
「北村にはそういう正攻法は通用しねぇ。パーティーで握手させられたのも、そのあと雑誌に載ったのも、全てあいつらの仕業だ。ざけんなっ!」
ええ~っ!そうなの?
はぁ、こいつらの世界って、あたしの世界とはまるで違う、作り話のよう。
「これで、あきらめてくれるかな?」
「お前には、もう一仕事ある。」
「ええ~。聞いてないよ?」
これで終わりじゃないの?何させる気よ、いったい。


手を引きながら、どんどん歩いていく道明寺。
てっきり、地下駐車場からリムジンに乗り込むのかと思ったら、正面ロビーに出てきた。
「どこいくの?」
「黙ってついてこい。下向くなよ。」
「何よ~。ちょっと、もう少しゆっくり歩いて。」
そういったあたしに、
「早く通過した方がいいと思うぜ。」
そう返して、ニヤッと笑った。

こわい~。こいつ、何考えてるのよ~。
頭の中でいろいろ考えていたから、あたしは周囲の状況に全く気が付いていなかった。

カシャ!カシャ、カシャ!!カシャ!
突然降ってきた、カメラのフラッシュ!!

なに?なにごと?
次の瞬間、あたしは道明寺に肩を抱かれていた。
人だかりの中を、いつのまにやら出てきたSPに先導され、道明寺に守られながら、速足で通過する。
フラッシュが眩しすぎて、前が見えない。
道明寺はどんどん歩いていき、正面玄関に止まっていたリムジンへ乗り込んだ。

何が起こったのか、茫然とするあたし。
そんなあたしに向かって道明寺が笑った。
「グッジョブ!牧野。」
へぇぇぇ?


*****


リムジンの中で、道明寺があたしをまじまじと見つめた。
「いつもの牧野もかわいいけど、そのカッコもいいな。似合ってる。」
かっ、かわいいって何よ。そんなこと、急に言わないでよね!
「あんた、遊んでるでしょ。秘書設定って、おかしいでしょ。」
「だからって、お前、深窓の令嬢のふりとかできんのか?」
「まぁ、無理だけど。」

「どんなんだっていいんだよ。お前が俺の恋人なら。」
もう!また変なことを言うんだから。こいつ、なんかおかしいよ。
照れちゃうじゃないの。
「恋人じゃないよ、恋人‘役’だからね。」


道明寺がちょっと不機嫌な顔つきになった。
「お前が、俺の本当の恋人になりたいっていうなら、それでもいいんだぜ。」
「はぁ?何言ってんの?ホント勘弁。お断り!」
ほんと、こいつ、馬鹿じゃないの?
誰がそんな気になるかっつーの。

「これはお仕事なの!」
そう言うあたしに、道明寺がため息をついた。
「おめぇは、ババァかよ・・。」



その後連れてこられたのは、どこかの高級レストラン。
おいしいお肉に舌鼓。
「うまくやれた、ご褒美だ。」
なんて言って、なんだかすごくご機嫌な道明寺。
そうだよね~。これぐらい、ご褒美もらってもいいよね~。
今日は、頑張ったもん。

「お前とレストランで食うの、初めてだな。」
「あっ、そうかも。」
「ずっと、お前をここに連れてきてぇなって思ってた。」
「え?そうなの?いや、でも、あたしには場違いかも・・。」
「いつもうまいメシ食わせてもらってるから、俺の感謝の気持ち。たまには、二人で外食もいいだろ?」
えっ?とお料理から目を離すと、道明寺があたしを見てほほ笑んでる。
やっ。なんか、いつもと違う道明寺に照れちゃう。
「そっかな。へへ。ありがとう。」

そんな風に浮かれていたあたしに、あいつから一言。

「今後のこともあるから、呼び名決めとくか。」
ん?今後ってなに?一瞬、流しそうだったけど、なんだかおかしくない?

「ちょっと、協力するのは今回だけじゃないの?」
「あぁ?何言ってんだよ。これからもミッションあるっつーの。」
「やだっ!聞いてないし!」
「お前、馬鹿だな。1回で済むわけねぇんだよ。」
「なんでよ。」
「明日になればわかると思うぜ。」


なに?なに?なに?なんなのよ~!!


 

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完全に妄想の世界を爆走中です(笑)。
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

ありがとうございます(^^♪

  1. 2016/11/08(火) 22:50:36 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
コメント、拍手ありがとうございます。
過去の記事にも拍手を頂けて嬉しい限りです。

この「理想の恋人」はかなりマイペースに書いておりまして、読者様からみたら、チンタラペースでイラっとくるのかなぁと心配なんですよね。でも、まぁ、私的には楽しく書いているので許してくださいね。
週末が忙しかったせいか、自転車操業的で、どこかでお話の貯金を作りたいのになぁと思いつつ、今日も慌てて書いています。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/11/08(火) 09:40:39 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2016/11/08(火) 09:12:27 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2016/11/08(火) 05:38:54 |
  2. |
  3. [ edit ]
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