花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

見合いはメープルのラウンジで11時からだった。
俺は11時ぎりぎりに席に向かうと、北村京子が目に入った。
そいつは俺に気付くと立ち上がり、
「北村です。先日のパーティーではありがとうございました。父からも、司さんと私はお似合いだと褒められまして・・。」
あ?
何言ってやがんだよこいつは。
この勘違い女がっ。

俺が無言で席に着くと、女も向かい側に座った。
「あの・・」
「何か勘違いをされているようですが、あなたと個人的におつきあいをした記憶もありませんし、名前で呼ばれる謂れもありません。不愉快です。」
「あっ、す、すみませんでした。道明寺社長がこの縁談を受けてくださったということで、両親も私も、本当にうれしくて・・。」
「母が勝手に動いたことです。私には、大切にしている女性がいますので、迷惑以外の何ものでもありません。名前を呼ばせているのも、彼女だけです。」
「えっ。お付き合いをされている方はいらっしゃらないと・・。」
「どなたからの情報ですか?」
「いえ、その・・。道明寺社長からも、そのようなお話はありませんでしたし。」
女が半信半疑の目で俺を見ている。
「あの、いきなり結婚を前提とかではなく、自然な形でお付き合いを始められたらと思っているんです。」
こいつも必死だな。

ちらりと時計をみる。そろそろか?
俺が時間を気にしていることに焦ったのか、女が急に勢いよく話し出した。
「私、以前から道明寺さんにあこがれていました。ずっと好きでした。道明寺さんのためなら、何でもできます。ですから、私とのことを前向きに考えてください。」

俺はたぶん、なんの表情も浮かべていなかっただろう。
こういう女には何人も会ってきた。
どんなに必死に言いつのられても、そんな女になびくこともなかった。
あいつ以外、牧野以外には、心が動かされたこともない。


その時、背後から俺が一番求めている気配が近づいてきた。
俺の背後で足音が止まり、深呼吸が聞こえた。

『司さん、緊急の書類をお届けに参りました。』

振り向かなくてもわかる。
俺が恋して止まない声だ。
俺はニヤける顔を抑えるのに必死だった。
あいつに名前を呼ばれただけなのに、表情が崩れそうだ。

振り返ると、栗色の長い髪を垂らした小柄な女が、茶封筒を胸の前に抱えて立っていた。
やっべぇ。めちゃ、可愛い。
あきらの母ちゃん、やるじゃねーか。
白のスーツもめちゃめちゃ似合ってる。
 
『司さん』ってどうだよ。
一瞬、天国が見えたぜ、俺。
まぁ、セリフは俺が考えたんだけどな。
ああ、ほんとやべぇな。このまま抱きしめちまいそうだ。

北村も牧野のことを驚いた様子で見ている。
俺のことを「司」と呼ぶ女。もう、分かっただろ?
俺は立ち上がって、無意識に、あいつの頬と髪を触っていた。
あぁ、牧野・・・。やっぱ、こいつ以外には考えられねぇ。


北村を適当にかわして、俺は牧野の手をつかんで歩き出した。
リムジンに乗るために、わざと人だかりのロビーを通り、マスコミに牧野とのツーショットを撮らせた。
牧野はきっとテンパってて、事態を把握していなかったに違いない。
まぁ、ちと荒かったかも知れねぇけど、俺を本気にさせたんだ。逃げられやしねぇよ、牧野。

どさくさにまぎてて、俺の本当の恋人にしてもいいなんて言ってみたが、やはりあっさり断られた。
俺とのことは「仕事」だという牧野。
俺はこんなに牧野を欲しているのに、すぐには手に入りそうにない。
こいつのためなら、なんだってしてやるし、金だっていくら使ってもいいのに。
こいつを手に入れるためなら、何を捨ててもいいのに。
けれど、こいつの気持ちは金では手に入らない。
牧野は一銭も使うことなく、俺を幸せにしてくれる。
俺が、ずっとそばにいたいと思う。
俺の・・・理想の女。
俺も、俺のそばにいるだけで幸せだと牧野に思わせてぇな。


俺が昔から気に入っているフレンチレストラン。
当然、女と来たことなんてない。
美味そうに肉を食う牧野。
ずっと、二人でメシを食いに行きたいと思っていたんだ。
肉をほおばる牧野の姿が可愛すぎて、自然と笑みがこぼれる。
あぁ、幸せっつーのはこういう気持ちなんだよな。
牧野に出会って、初めて知った感情。
この女だけは、俺の手で幸せにしてやりてぇと改めて思った。


*****


夜自宅マンションのベッドで、今日の牧野の姿を思い出して幸せに浸っていると、突然携帯電話が鳴った。
西田からだ。

「どうした?」
「明日の朝刊のゲラ刷りが上がって来まして、確認しました。」
「今回の記事は規制しなくていいと言っただろ?」

西田には、今回の記事は好きに書かせろと指示を出していた。
もちろん西田も、相手の女は牧野だと分かっている。

「支社長。」
西田の声が深刻だ。なんだっていうんだ?
「あぁ。」
「やりすぎでは?」
「何がだよ。」
「牧野さんの件です。恐らく、相当な騒ぎになります。」
 
まぁ、そうだよな。ビジネス以外で、女をちらつかせたことのない俺のツーショット写真なんだからよ。北村の時のは、あれはビジネスだ。いくら北村がでっち上げようが、ビジネス以上の画像にはなってねぇ。
 
「何がまずいんだよ。」
「牧野さんにも失礼かと。」
「何で?」
「いくら上司命令とはいえ、このような役回りとは。」
「俺は本気だぜ?」
「支社長?」
「俺は牧野に本気だ。だから、今回の報道はデマじゃない。」
 
「坊ちゃん!!」
あぁ、うるせぇな。電話から、西田の唾が飛んできそうだ。
「この西田、坊ちゃんのためなら、ご協力は惜しみません。」
西田・・・、まさか、お前、俺のこと本気でゲイだと思ってた訳じゃねぇよな?
 
「おっ、おう。頼んだ。じゃあ・・・。」
それで、俺は西田に次の計画を説明した。
 

 
 
「承知致しました。それでは、まずは、牧野さんに、定期的に会社へ来てもらいましょう。仕事内容はこの西田にお任せください。牧野さんは秘書検定をお持ちですし、以前は会社勤めをされていたそうですから、企業の業務内容には明るいのではないかと思われます。」
西田、気合入ってんな。
 
「契約の内容は私から、牧野さんへお伝えします。」
「あぁ、頼んだ。けど、あいつ、本当はメープル希望なんだよな。」

「坊ちゃん!」
西田の声のトーンが一段下がった。
「メープル側が牧野さんを呼び戻す前に、坊ちゃんには決着をつけて頂かないとなりません。」

分かってるさ。
けど、金や権力では手に入れられないものがあることを知った。
手に入れるためには、時間をかけるしかねぇ。

あのボケボケ鈍感女が、俺の魅力に気付くまで・・・。



 

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いつも応援ありがとうございます!
急に司目線が書きたくなって、速攻で書いてしまいました。
もう、眠いので、寝ます・・・。誤字ばかりだったらすみません。。。
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:1
  3. [ edit ]

こんばんは(^^)

  1. 2016/11/09(水) 23:02:43 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
たくさんの拍手、それから拍手コメント、ありがとうございます。

坊ちゃん目線、悪くないですか。良かった。
この辺、すっ飛ばしてていたんですが、やっぱり、司はほかの女には冷たいんだぜっていうところも書きたくなったりして。それで、つくしちゃんには、甘々なんだぞ~って言うところも書きたくて。
でも、司君が触っている髪の毛はズラだったりとか、考えるとおかしいんですけどね。。。
まぁ、その辺は突っ込みなしでお願いいたします。

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