花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

先日発表された、若手経営者たちによる、共同事業。
その内容は、大型娯楽施設の開発だ。
まずは関東近郊からで、最終的には全国展開を図りたい。
衣食住すべてにおいて、老若男女問わず楽しめることをコンセプトに、多くの企業が協力し、作り上げていく、日本経済の活性化に一役買うプロジェクト。
はっきり言って、道明寺ブランドとはかけ離れたコンセプトだったが、日本企業を牽引するという点で、俺が加わる意味は大きい。

食関係は類のところが先導して、他の企業を引っ張っている。
ショッピング関係については、あきらんとこの美作や、北村貿易等、名だたる企業も入る。
道明寺は今回は建設関係を主に引き受ける形だ。


今日は2回目の会合があり、参加企業がメープルの大会議室に集まった。
俺も牧野を連れて参加した。
今回のメインはショッピング関連の報告だったから、あきらや北村京子からの報告がある。
俺の隣で、「うん、うん。」と相槌を打ちながら、真剣に話を聞いている牧野がすげぇ可愛い。
時々、俺の腕を触り、耳に口元を寄せて、「ねぇ、外国食材のお店とか、行ってみたいよね。」なんて囁いてくる。
耳がくすぐったくって、にやけそうで困る。
お前、本当に鈍チンだから、全く気にしてねぇみたいだけど、この俺にそんな態度とってる奴なんていねぇんだぜ。
周り見てみろよ。みんな、こっちをチラチラみて、驚いてるのがまるわかりだ。


そんな時に、北村京子が
「今日は、アメリカで輸入食材専門の経営をされている、ジョージ・ウィルソンさんに来ていただきました。丁度、当社のとの取引のため、来日されておられましたので、今から15分ほど、簡単に輸入食材販売の説明をさせて頂きます。」

そんな話、聞いていなかったが・・。
ちらりと西田をみると、西田も首をひねっているが、北村の持ち時間内でのことであれば、仕方ねぇ、続行だ。

そこから15分弱、外人による、食品衛生法や関税なんかの小難しい話が続いたんだが、はっきり言って、そんな話この場ですることか?輸入の可否や、利益については、自分らでまとめて、後日報告が基本だろうが。
しかもこのスピードの英語に、この会場でどれだけの人間がついていけてんのか疑問だ。
隣をみると、牧野はメモを取りながら、話に耳を傾けていた。

外人の話が終わると、北村京子が言った。
「ただいまの説明にご質問などありましたら、どうぞ。」
はん、あるわけねぇな。内容を理解できたやつがどれだけいるかも疑問だ。

すると北村が予想外のことを言いだした。
「道明寺ホールディングスは、確か、米国に小麦のプラントをお持ちかと思いますが、その点を踏まえて、輸入に関して何かご意見を頂ければお願いします。」
は?今、それは関係ねぇだろ?
しかし、小麦プラント・バイオエネルギー関連は今は牧野が担当している。
そうか、北村の奴、牧野に恥をかかせるために仕組んだか。

ちらっと、牧野を見る。
真剣な表情の牧野。
ここは、俺が出るしかねぇなとマイクを握ろうとした時に、隣の牧野が俺の手を抑え、俺の目を見て顔を横に振り、NOサインを示した。
俺の手助けはいらねぇってことか。
それから、前にあるマイクをとって、立ち上がった。


そこからは圧巻だった。
綺麗な英語で話し出した牧野。
「道明寺ホールディングスの担当です。先ほどの小麦の件ですが、当社の場合、米国にて、小麦・トウモロコシなどのプラントを所有しておりますが、ご存知の通り、小麦の輸入自体は日本政府の管轄となりますので、直接の取引には関与しておりません。トウモロコシについては現地で加工しておりますし、また現在国内への輸入はありません。小麦からの生産加工物に関しては、先ほどのウィルソン氏から説明のあった通りで間違いないと思いますが、数点疑問が生じます。まず、第一に、添加物の件ですが・・・」
静まり返る会場の中、しばらく、牧野と外人の応酬が続いたが、最後には二人が納得して質疑は終了した。
北村京子はたぶん話についていけてなかったかのか、会話が終わったことに対するアクションもない。

俺は牧野からマイクをとり、
「道明寺ホールディングスからの質問は以上になりますが。」
とこの雰囲気をぶった切った。

はっとした北村京子が、「他にご質問がなければ、これで当社からの報告は終了します。」と言って、慌てて檀上を降りた。
隣の牧野はほっとした表情だ。
それから、たった今の質疑の内容を英語でメモし始めた。


しっかし、こいつはやっぱすげぇな。
西田が仕事を任せただけはある。
ここまでできる奴だったとは、本当に驚きだ。



会議が終わると、あきらと類が近づいてきた。
「どうなるかと思ったぜ。」
とあきら。
「俺、今日は出番じゃなかったけど、面白いもの見れてよかった。」
と類。

「あたしも、手、震えた~。」
と笑う牧野。
「震えてるようには見えなかったぜ?落ち着いてた。さすがは俺の女だ。」
と牧野の髪を撫でながら、笑う俺。

そんな俺に、牧野の爆弾発言。
「も~。ちょっと、やめてっ。でもね~、あながち、嘘じゃないかも。隣に道明寺がいなかったら、マイク持たなかったかも知れない。道明寺がいたから、何があっても、この人なら助けてくれるって思ったもん。あたし、道明寺のこと本当に尊敬してるから。すごいなって思ってるから。道明寺がいたから、頑張れたんだよ。ありがとう。」

ぽかーんとする俺に、吹きだすあきらと類。
照れた俺が、
「司さんだろ?」
と訂正を促すと、
「ありがとうございます。司さん。」
と牧野が、笑いながら言い直した。


「牧野ってさ、そんだけ仕事できんのに、なんで前の仕事やめて、メイドしてんの?」
とあきら。

そうなんだよな。
それは俺も疑問だった。

「あのセクハラ親父?」
と類。

牧野がセクハラ・ストーカー被害にあっていたことは、調べさせていた。
実を言うと、あのオヤジにも、牧野にもSPを付けて見張らせている。
それ以外にも、俺の恋人だという時点でトラブルに巻き込まれる可能性があったから、牧野へのSPは必須事項だった。

「ん~。言いにくいけど・・そうだね。会社自体も古い体質だったし、上司からそういう被害も受けた。メイドになったのは偶然なの。友人から接客業が向いてるって言われてね、本当はメイプルの臨時職員を希望していたの。でも、メイプルに空きがなくて、お邸のメイドが足りないからどうかって。あっ、お邸のメイドさんも、メイプル所属が多いの。あたしもそうだし。お邸に住み込みしたり、道明寺のマンションの住み込みメイドになったから、あの上司にアパートに押しかけられることもなくなって、助かっちゃった。パーティーで会った時は、心臓止まるかと思ったけど・・。」

あの親父。まさか、牧野のアパートにまで押しかけていたとは。
絶対に許さねぇ。


「正直言うと、もう会社勤めはこりごりだなって思ってたの。でもね、道明寺ホールディングスに来て、ううん、違うか、道明寺の下で働いて、考えが変わったよ。今はすごく働きやすいの。あたしが前の会社を辞めたのは、その・・セクハラ・・もあったけど、結局、上司を信頼したり尊敬したりできなかったからだ思う。あたし、こんな形だけど、道明寺と働けてすごく良かった。上司を信頼して、尊敬しながら働けるって、部下にとってはすごくうれしいことなのよ。だから、本当にありがとね、道明寺・・じゃなかった、司さん!」



牧野の笑顔がまぶしすぎる。
俺は別に、尊敬なんていらねぇ。
感謝もいらねぇ。
俺が欲しいもんはそんなもんじゃねぇ。
けど、こいつから信頼されるっつーのはすげぇうれしい。

あぁ、俺はますます牧野にはまっていく。
そうだ、何があっても、俺がお前を守ってやるから、だからはやく俺を好きになれよ、牧野。


そんな俺の気持ちがあいつらには分かったようだ。
「司、頑張れよ!」
と両側から肩を叩かれた。


 

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いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
尊敬の対象になってしまった司君・・。
大丈夫、ここから、ここから。
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:4
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  1. 2016/11/13(日) 21:43:47 |
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こんばんは(^^)

  1. 2016/11/13(日) 19:14:25 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
たくさんの拍手やコメント、いつもありがとうございます。

本当ですね。
親父ははやく成敗したいですね。

この週末で、だいたいラストまでのお話しの流れは決められたように思います。
でも、この妄想を文章にするっていうのが、やっぱり難しいです。
長いお話は書けないと言いながら、このお話しは結構長くなっている。
そして、やはりコメディーにはならなかった・・・。
でも、初恋ほど切なくもないし、私の精神的にもきつくないので、このまま行けそうです(笑)。

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  1. 2016/11/13(日) 11:59:18 |
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  1. 2016/11/13(日) 08:02:18 |
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